記事: アーロンチェア 中古 徹底解説 公式オーバーホール編

アーロンチェア 中古 徹底解説 公式オーバーホール編
中古(ユーズド)アーロンチェアは再生できる?
中古アーロンチェアや、長年使用した古いアーロンチェアについて、
「調子が悪いのですが、直りますか」というお問い合わせをいただくことがあります。
12年以上ご使用の場合や中古アーロンチェアの購入を検討する際、「ハーマンミラーの保証期間が切れていたら、調子が悪くなっても直せないのでは」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
中古購入もしくは、ハーマンミラーの保証期間がきれたアーロンチェアは、ハーマンミラー公式メンテナンスセンターのオーバーホールサービスによって、コンディションを復帰できる可能性があります。
ハーマンミラーメンテナンスのオーバーホールでは、製品全体を点検したうえで、必要がある場合にはメーカー純正パーツを用いた部品交換にも対応します。中古アーロンチェアは、見た目だけでは部品の摩耗や欠損、可動機構の状態を判断しにくい製品です。点検の結果、不具合が確認された箇所については、修理内容と費用の見積を確認したうえで、必要な対応を進めることができます。
ただし、すべての中古アーロンチェアに同じ対応ができるわけではありません。メッシュやフレーム、チルト機構、各種調整部の状態、部品の供給状況などを確認したうえで、オーバーホールや修理の可否が判断されます。

今回は、ハーマンミラー公式メンテナンスセンターで行われる「クラシックアーロンチェア オーバーホール プログラム」を活用し、実際にユーズド・アーロンチェアを再生する工程を撮影取材しました。
中古アーロンチェアは、見た目がきれいでも、内部まで良好な状態とは限りません。実際に分解してみると、普段は見えない可動部の汚れや、長年の使用による摩耗、古いグリスの状態などが見えてきます。
ここでは、古いアーロンチェアがどのように点検され、整備され、再び使用できる状態へ整えられていくのかをご紹介します。
外観がきれいでも、中古アーロンチェアの状態は判断しにくい
アーロンチェアの経年劣化を判断する際に、最初に目に入るのはメッシュの張り、フレームの傷、アームパッドの状態などです。
もちろん外観は重要ですが、アーロンチェアは複数の可動機構によって座り心地を支える製品です。キャスター、ガス圧シリンダー、チルト機構、前傾チルト、ポスチャーフィット、アームなどは、外から見ただけでは十分に状態を判断しにくい部分でもあります。
中古アーロンチェアの再生では、まず各部を分解し、構造ごとに点検していきます。
分解することで、日常使用では見えない部分の状態を確認します。
オーバーホールは、分解と点検から始まります
座面の取り外し

クラシックアーロンチェアのオーバーホールでは、座面、背もたれ、アーム、ポスチャーフィット、キャスター、チルトメカニズムなどを順に取り外します。
背もたれの取り外し

長年使用した椅子では、座面下や可動部にほこり、古いグリスなどが残っていることがあります。表面を拭き上げるだけでは確認できない部分までアクセスするため、必要に応じて各部を分解したうえで状態を確認します。
ワイヤー類の取り外し

各種レバーから伸びるワイヤー類もすべて外し、引っかかりや摩耗、断線がないかをチェックします。

座面下のフレームや機構部も、分解後に清掃・点検します。
ポスチャーフィットやランバーサポートも、状態を確認しながら取り外します。
可動部の清掃とグリスアップ
アーロンチェアの快適さは、メッシュの状態だけで決まるものではありません。
背もたれの動き、リクライニング、前傾チルト、座面高の調整、アームの調整など、複数の可動部が正しく連動することで、本来の座り心地が保たれます。
チルトメカニズムやスイングアーム、ガス圧シリンダーまわりでは、汚れや古いグリスの状態を確認します。必要に応じて清掃を行い、可動部には適切なグリスアップを行います。
内部の汚れを落としながら、状況を確認

座面下の機構部を清掃し、動作に影響する汚れや古いグリスを確認します。
可動部をグリスアップ

可動部は状態を見ながら整備されます。
フレームやシートを清掃

取り外した各パーツの清掃をおこないます。
中古アーロンチェアでは、キャスターの回転状態や、内部に絡んだ髪の毛・ごみなども確認したいポイントです。
キャスターは床との接点であり、椅子の移動や座ったときの安定感にも影響します。回転が重い、異音がする、動きが不自然といった状態は、見た目だけでは分かりにくい場合があります。
アームパッドやアームの調整部も同様です。日常的に手や腕が触れる部分であるため、操作感やがたつきの有無を含めて確認します。
キャスターを外して清掃

キャスターは取り外して、軸まわりや回転状態を確認します。
アームパッドを外して清掃

アームまわりも、調整機構を含めて確認します。
フロントインサートフォームの交換

クラシック アーロンチェアのフロントインサートフォーム(バナナクッション)劣化程度も座り心地に影響します。
組み立て後に、各機構の動作を確認します
清掃、点検、調整、必要な部品交換を終えた後は、各部を組み直します。
アーロンチェアは部品点数が多く、座面高調整、リクライニング、前傾チルト、ポスチャーフィット、アーム調整など、複数の機構が組み合わさっています。
組み立て後には、各調整機構が本来どおり動作するかを確認します。中古アーロンチェアの状態は、外観だけではなく、こうした一連の動作確認まで行って初めて判断しやすくなります。
組立後に再点検

組み立て後、各部の動作と操作感を確認します。
古いアーロンチェアの継続利用の際に確認したいこと
見た目の傷や汚れだけではなく、次のような点も確認しておくと安心です。
メッシュに破れや大きな伸びがないか。
座面高、リクライニング、前傾チルトなどが正常に動作するか。
キャスターが滑らかに回転するか。
アームの高さや角度が調整できるか。
異音、がたつき、操作時の引っかかりがないか。
部品の欠損がないか。
修理やオーバーホールの相談ができる状態か。
経年アーロンチェアは、年式、使用環境、保管状況によって状態が大きく異なります。
一方で、適切な点検と整備によって、長く使い続けられる可能性を持つ製品でもあります。外観の印象だけで判断せず、内部機構やメンテナンスの考え方まで含めて確認することが大切です。アーロンチェアは、購入時の座り心地だけではなく、その後の使用環境やメンテナンスによっても快適さが変わります。とくにクラシックアーロンチェアは長年使われている個体も多く、将来のメンテナンスや使用継続まで含めてご検討ください。
ハーマンミラーメンテナンス クラッシックアーロンチェア オーバーホール
https://serv.hermanmiller-maintenance.jp/item-detail/1380332
中古品と新品を比較するときに
中古アーロンチェアは、状態によっては、点検やオーバーホールによって長く使用できる可能性があります。
一方で、中古品は使用年数や使用環境、部品の状態によって個体差があります。購入時には見えない摩耗や、将来的に必要となる整備の可能性も含めて検討することが大切です。
新品のアーロンチェアには12年保証が付帯し、サイズ、仕様、キャスター、カラーを使用環境に合わせて選べます。
中古品の価格だけでなく、これから何年使用するか、保証やメンテナンスをどこまで重視するかを含めて比較することで、ご自身に合った選択がしやすくなります。
THE CHAIR SHOPでは、アーロンチェアのサイズや仕様、使用環境に合わせた選び方についてご相談いただけます。

監修:片上 太朗(ハーマンミラー認定スペシャリスト)









































































































